ランチェスター経営ジム

岡 漱一郎の
戦略コラム
2024. 05

戦略決断は呼吸の如く

社長の仕事は決断することです。その結果が業績に現れます。日々決断の連続となる社長の仕事は、戦略的決断と戦術的決断に分かれています。

どちらも不可欠ですが、やはり戦略的決断の方が業績に与える影響は圧倒的に大きくなります。

戦略的決断とはポジショニング、ドメイン、立ち位置の決定となり、ランチェスター戦略で言えば、三大戦略(地域・客層・商品)の決定となります。

それが決まった後に、やり方の戦術となります。戦略的決断をせず、戦術を進めれば、はなはだ低い効果性しか生まれません。

ただ、この戦略的決断も、スピードが命です。決断が遅れれば遅れるほど、機会損失を生み出してしまうからです。

戦略的決断に至るまでの時間は、熟考を重ねて長ければ良いというものではありません。また、この時間も人によって「長い、短い」の感覚が違うようです。

同じ決断も、一瞬で決める社長もいれば、1年以上かかる社長もいます。厳しい言い方ですが、一瞬で戦略が見える社長と、1年経っても見えない社長もいます。下手をすると、一生見えない社長も現実にはいます。

では、この決断スピードの違いは、どこから来るのでしょうか。それは、その事業に社長が、目的と意味を見い出しているかどうかだと思います。目的と意味を見い出しているからこそ、戦略的決断が出来るのです。

岡 漱一郎

岡 漱一郎株式会社ハードリング

1962年生。岐阜県大垣市出身、愛知県名古屋市在住。
ランチェスター経営戦略と孫子の兵法を駆使する経営コンサルタント。全国20カ所で毎月勉強会を開催し、指導を受ける経営者は400人を超える。その活動がNHK「クローズアップ現代」で取り上げられ、また建築業界誌「建築知識ビルダーズ」にて「経営戦略ジム」の連載を受け持つ。
また、豊臣秀吉の最初の軍師 竹中半兵衛の家臣(竹中十六騎)、その末裔にあたる。

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